2007年05月23日

速記講座【57】 「なぞなぞ話」


速記講座【57】 「なぞなぞ話」

 「なぞ」というのは、漢字であらわすと「謎」です。まさに「言葉」で「迷わす」ことによって成り立つものですね。日本では、もともとは「是は如何 何ぞ何ぞ」の「何ぞ」という問いかけの言葉だったようです。「なになにするもの、なあに?」の「なあに?」ですね。

 万葉の時代からの万葉仮名(漢字)を使った「戯書」に始まり、平安朝の貴族の言葉遊び、鎌倉・室町と続く中世にはクイズ・パズル形式に発展し、江戸時代になると寺子屋で文字を覚えられるようになった庶民にまで広く親しまれるようになってきました。

 兼好法師の書いた「徒然草」にも幾つかの「なぞなぞ」が出ています。頃は13世紀半ば、皇女悦子内親王が幼いころに父の後嵯峨天皇におくった歌にこういうものがあります。
 「二つ文字 牛の角文字 直ぐな文字 ゆがみ文字とぞ 君はおぼゆる」

 「二つ文字」は「こ」、「牛の角文字」は「ひ」、「すぐな文字」は「し」、「ゆがみ文字」は「く」と言われています。なぞなぞ歌で寂しい思いをうったえたということでしょうね。

 「牛の角文字」は「い」という説もありますが、仮名遣いから考えて「ひ」が正しいという説が最近強くなっています。2本の角だけでなしに、頭に角がついている形の方が牛の感じがよく出てますね。
 また、「し」は、現在のような字尾の曲がった形でなしに、当時の書では真っすぐな縦棒のように書かれていたからだそうです。

 また、言語学者の新村 出博士は、上代日本語の「ハヒフヘホ」は「パピプペポ(P音)」と発音していたが、平安時代のころに「ファフィフフェフォ(F音)」となり、江戸時代に現在の「ハヒフヘホ(H音)」が全国的に広まったという学説を発表し、学界が驚いたことがありました。

 これは「母には二度逢いたれども父には一度も逢わず」という室町時代の「なぞなぞ」から仮説を立て、論文を出したそうです。この答は「唇(くちびる)」で、「母」は「ふぁふぁ(fafa)」だから唇は二度合い、「父」と発音するときは唇は開いたままで一度も合わずというわけです。

 世界的には「ギリシャ神話」に出てくるスフィンクスのなぞなぞが有名ですね。
 「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足のもの、なあに?」

 これは「朝」「昼」「夜」を人間の一生にたとえて、赤ん坊は両手両足で這い回り、やがて立ち上がって我が人生をおくっていき、最後には年をとって杖を突くというわけですね。

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2007年04月07日

速記講座【56】 「あどけない話」……高村光太郎「智恵子抄」より


速記講座【56】 「あどけない話」……高村光太郎「智恵子抄」より

 江戸時代の仏師である高村東雲の流れをくむ彫刻家の高村光雲−−シカゴ万博に出品された「老猿」が有名ですね。その長男として生まれた光太郎は、東京美術学校彫刻科を卒業した。
 芸術・文学を広く手がけ、彫刻では十和田湖畔の記念碑の裸婦像、美術評論「美について」や翻訳「ロダンの言葉」なども有名です。
 特に「智恵子抄」「道程」等の詩集によって、一般的にはむしろ詩人として知られていますね。

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   あどけない話
智恵子は東京に空が無いといふ、
ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切つても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山の山の上に
毎日出てゐる青い空が
智恵子のほんとの空だといふ。
あどけない空の話である。

 ※阿多多羅山……智恵子の郷里である福島県二本松町漆原

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2007年04月01日

速記講座【55】 「初恋」……島崎藤村「若菜集」より


速記講座【55】 「初恋」……島崎藤村「若菜集」より

 島崎藤村と言えば小説家としては「破戒」「夜明け前」、浪漫派詩人としては「若菜集」が有名ですが、その中の「初恋」という詩にはメロディーもつけられ、舟木一夫を初めいろいろな人に歌われていました。
 また「落梅集」の「椰子の実」も、大中寅二の作曲により国民歌謡として現在でも広く愛唱されていますね。

   初恋
まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思へけり

やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり

わがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を
君が情に酌みしかな

林檎畑の樹の下に
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ

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2007年03月25日

速記講座【54】 般若心経へ挑戦(3)


速記講座【54】 般若心経へ挑戦(3)

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究竟涅槃 三世諸仏 依般若波羅蜜多故 
得阿耨多羅三藐三菩提 故知般若波羅蜜多 
是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪 
能除一切苦 真実不虚 故説般若波羅蜜多呪 
即説呪日 羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 
菩提薩婆訶 般若心経 

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2007年03月21日

速記講座【53】 般若心経へ挑戦(2)


速記講座【53】 般若心経へ挑戦(2)

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是故空中 無色 無受想行識 
無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法
無眼界 乃至無意識界 無無明 亦無無明尽
乃至無老死 亦無老死尽 無苦集滅道 無智亦無得
以無所得故 菩提薩埵  依般若波羅蜜多故
心無罣 礙 無罣 礙故 無有恐怖 遠離一切顛倒夢想

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最終2行中、文字消滅箇所
菩提薩た(「た」=土+垂)
心無けい礙 無けい礙故 (「けい」=罫−ト)


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2007年03月17日

速記講座【52】 般若心経へ挑戦(1)


速記講座【52】 般若心経へ挑戦(1)

 春分の日,秋分の日はお彼岸のお中日といって、その前後1週間がいわゆるお彼岸ですね。そのころは何かと宗教的な行事が多く、一般の方もご先祖さまや亡くなった家族・親戚、あるいは友人知己のお墓参りをされことが多いですね。
 そのお彼岸の少し前に東大寺二月堂のお水取りがあります。奈良ではよくお水取りが済めば春が来るといいますね。

 ところで、仏教も多くの宗派に分かれており、それぞれ使われるお経に違いがありますが、各宗派合同での宗教行事などで必ず読経されるのがこの般若心経です。
 仏教の真髄をたった276文字(宗派によって多少の違いがありますが、)であらわしているとも言われるもので、非常にコンパクトなお経です。
 孫悟空や猪八戒、沙悟浄の出てくる西遊記でも名高い玄奘三蔵法師が天竺から持ち帰ったとも言われますね。

 最近よく「日本語力向上」あるいは「脳力回復」ということで、有名な古典や興趣をそそる物語や詩歌、文章を鉛筆でなぞるということがもてはやされていますが、これらは日本では昔から写経ということでよく行われていました。その写経の対象としても般若心経は随一ですが、朗読することによって親しみも増し,少しずつ理解できるところがふえてくることでしょう。(読経時は1音節の漢字音を長音化して2音節分に読むことが多いようです。)

 皆さんは、改めてそういうことをしなくても、速記を習うことがそのまま「脳力回復」のなぞり書きや写経になっていきます。この講座に出てくるものだけではなく、この機会にいろんな文章に挑戦してみてください。

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 仏説摩訶般若波羅蜜多心経
観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 
照見五蘊皆空 度一切苦厄 舎利子 
色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 
受想行識亦復如是 舎利子 是諸法空相 
不生不滅 不垢不浄 不増不減 

ラベル:速記
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